アデル、ブルーは熱い色

カンヌ国際映画祭の最高賞を、レズビアン映画が飾ったというのを知って公開を心待ちにしていた。
映画は、3時間という長尺であるにも関わらず、じっくりと引き込まれ、主人公たちとともに恋愛の渦の中に巻き込まれ、息をのんだ。
アデルという17歳の高校生は、男の子とデートをしながらも、自分のセクシャリティに何かしっくりこない感じを抱いている。そんなある日、青い髪のエマと道中ですれ違い、胸が猫の舌でなめられたるようにざらつく・・・
これは、レズビアンというセクシャリティをモチーフにはしているけど、完全なる恋愛映画だ。
ふたりの生まれも育ちも違う人間が出会い、惹かれ合い、恋に落ち、やがて関係性を持つようになり、その中でまた問題が起き上がってくる。
ふたりの性格や、個性を、とても巧妙に描いている監督の力量に圧倒される。逆行の光の中でキスをするふたりの映像は、眩いばかりに美しい。
とりたてて凄いのは、性描写が半端ないということ。もし、レズビアンだったら、きっとこの映画を観て、官能的なふたりのセックスに酔いしれることもあるかもしれない。
ただ一つ僕としては、自分が女性の身体に対してなんの興味も持つことがないため、このリアルな性描写を生理的に好きになることができなかった。
それでも、この映画は他の映画が到達できなかったリアリティがあり、ふたりの捨て身の演技は賞賛に値するものだと言える。
★アデル、ブルーは熱い色 http://adele-blue.com

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