ワン チャンス

『プラダを着た悪魔』の監督と、『最高の人生の見つけ方』の脚本家が組んだ映画『ワンチャンス』は、じんわり涙が出て、たくさん笑わされて、最後には胸がいっぱいになる映画だった。
ウェールズの田舎町で携帯ショップに勤めている中年男が、昔からの夢だったオペラ歌手になろうと奮闘する話。
主人公は昔からいじめられっ子で、気が弱く、太っちょで、歯並びも悪くて、いかにもモテそうにないのだけど、小さな頃からバカがつくくらいオペラが好きな、心のやさしい男。
そして、その主人公が恋をする女の子が、これまた少し太めで、決して美人とは言えない感じで、これまた全くモテそうにないのだけど、観ているうちになんだか少しずつ好きになっていくような気持ちのいい女の子。
実話に基づいているせいか、この冴えないふたりの恋愛物語は、『もう、美男美女の恋愛物語なんて糞食らえ!』って思えるくらい感情移入出来るし、親子の葛藤やら、夢に向かって挑戦する姿は、見ていて涙が溢れる。
人生における挫折。親子の愛。夫婦の愛、夢、勇気…
映画を観終わる頃には、たくさんの宝物をもらったように、心が温かく幸福感で満たされているだろう。
『ラ・ボエーム』『トスカ』『道化師』『アイーダ』からの素晴らしい曲の数々と、溜息の出るような美しいヴェネツィアの景色に、オペラにあまり興味がない人でも惹きこまれるに違いない。
★ワンチャンスhttp://onechance.gaga.ne.jp/sp/

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