もしもの時に。

先日、友人であり16年間僕の髪を切ってくれていた美容師さんMが、パチンコをしている最中に倒れ救急車で運ばれてそのまま心不全で亡くなった。このブログでも先週、彼のことを僕なりにしのび、記した。
知らされたのは僕が次の予約を取る時に連絡がつかなかったため、美容室にかけたからなのだけど(いつもはMの携帯でやりとりしていた)、僕自身受け入れることが出来ず、少し時間がかかってしまった。
周りの友人には僕が連絡をしたのだけど、みなMの本名も知らないしご家族とも面識がないため、直接連絡をいただくことが叶わなかったのだ。葬儀は知らぬ間に終わっていて、未だに線香をあげることもお花を供えることもできぬまま・・・。
Mには、沖縄出身の若い恋人であり同居人Aがいた。Mは沼津の出身だけど、お兄さんとは喧嘩をしていたようだし他の血縁のご家族とも疎遠で、もちろんMはカミングアウトなどしておらず、私生活はご家族には知らされていなかったようだ。
同居人であるAが最初に知らされたのだけど、Aは美容室といくつか残っていたアドレスとご家族に連絡を取るのが精一杯で、ご家族が静岡からやってきて病院や警察の手続きを済ませ、遺体も持ち去り、結局葬儀にさえAは出ることも出来ぬまま、賃貸マンションも契約を終わらせる手続きをさせられ放り出された。
これは、MとAの話だけれども、僕たちにとっても人ごとではないだろう。
たとえば僕が倒れて、集中治療室に入るようなことになったらKはどうするだろうか・・・。
『LINEの返信が来ないなあ・・・などと思い、その日はKはおおらかなので深く考えずに寝てしまい、次の日も来ないとなると、きっとBridgeにでも電話をかけるのではないか?(Bridgeに聞けば、たいてい僕の居場所がわかる)。BridgeのMは僕に連絡をLINEでよこすけど返信はなく、手当り次第に僕の周りに連絡をして、やっと僕の妹的存在のGに連絡が入り、Gは会社が一緒なので、慌てて会社の総務課に連絡をよこして事の次第を知る』
それを知ったところで、集中治療室のそばにいけたり、手術などの大切な決断を下すことの出来るのは、血のつながった家族だけだ。僕の血縁に紹介していないKは、病室に入ることも叶わないかもしれない。
出来ることならこんなことにならないように、きちんと緊急時の連絡がすぐにつくようにしておきたいと思う。それと、そういうカードを配っているNPOがあったけど、小さな紙に、『緊急時は、この人に連絡をしてください』と連絡先を書いておき、財布の中にでも忍ばせておくべきだろう。
『結婚』という法律で守られていない我々は、自分たちのことは自分たちで守るしかないのだ。
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