僕の美容師さん。

友達にはよく、「おすぎとピーコを合わせて何も割らないような人なの」と言っていた。
髪を切ってくれる時に、お腹がよく僕に当たっていた。
イタリアングレイハウンドを自分の娘のように可愛がっていた。
宝くじを買っては、いつも大金が当たるのを夢見ていた。
毛糸の帽子を編んでくれた。
お店を引っ越す時には、着物に仕立てたらいいと反物をくれた。
赤坂で桜が咲く頃、蕗のとうを摘んできゃらぶきを作るのが好きだった。
そのきゃらぶきはしょっぱくて、もらってもいつも残してしまっていた。ごめんなさい。
恋人とうまくいかない時は、いつもおせっかいをやいてくれた。
僕の別れた恋人が入院した時に、こっそりと僕に教えてくれた。
いつも黙って座るだけで、僕に似合った髪型にしてくれた。
僕の大好きな美容師さん。
あなたのおかげで、何度も髪型を褒められました。
たくさんのおせっかいと、やさしさをありがとう。

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