ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅

映画『ネブラスカ』は、100万ドルの宝くじが当たったと信じ込む年老いた父親と、その家族の話。賞金を手に入れるために、モンタナから遠く離れたネブラスカまで長い旅に出ることになる。
アレクサンダー・ペイン監督の作品は、いつも派手さは無いのだけど、どの映画も驚くほど丁寧に人間の性格や感情を描いている。
今回、年老いた父親役のブルース・ダーンが圧倒的な演技を見せてくれている。意固地で耳も遠くなり、都合の悪いことは聞こえないふりをしているのか、本当に聞こえないのかわからない。
家族は、ネブラスカへ向かう途中に昔の故郷に立ち寄ることになる。そこで様々な親戚や幼なじみにもう一度出会い、このお父さんとお母さんがどんな人物でどのような人生を送って来たのか、子どもたちも知ることとなる…。
映画を観ているうちに、これは、特別なウディ・グラントファミリーの話ではなくて、まるで僕の父親や母親の話でもあるように思えてくるから不思議だ。
今は亡き、父親のろくでもなさを思い出しながら、父へのさまざまな感情がこみ上げて来て、白黒の画面を深く見入ってしまった。
主役のブルース・ダーンはじめ、奥さんのジューン・スキップも、素晴らしい演技を魅せてくれる。作品賞、監督賞はじめ、主演男優賞、助演女優賞など6部門にノミネート。
★ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 http://nebraska-movie.jp/

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