アメリカンハッスル

このところのアカデミー賞に、『ザ・ファイター』で6部門、『世界にひとつのプレイブック』で8部門、そしてこの『アメリカンハッスル』で10部門というノミネート数を誇るデヴィッド・O・ラッセル監督。
この3作品を見る限り、素晴らしい脚本と天才的な俳優を揃える幸運に恵まれていると思う。
今回のアメリカンハッスルは、実際の事件に基づいた話で、FBIと、天才的な詐欺師と相棒、そしてその頭の悪い妻とのドタバタ劇なのだけど、俳優陣の演技に惹きつけられて息つく暇もなかった。
膨大な映画を観ている映画人の友人が、『この監督の映画はうるさいから好きではない』と言うので、改めてこの監督の作品の魅力はどこなのだろうかと僕なりに考えてみた。
この監督の作品に出てくる主人公たちは、本当にろくでもない悪人ではなくて、人生の敗残者だったり、もう取り返しのつかないような生き方をして来た人間だ。
それでいて彼らは、何か人間の善意に触れるようなやさしさや温かさを持っていたりする。
それは、監督の人生経験から来る人間への鋭く深い洞察力と温かい視点なのだと思う。
よく練られた脚本と、映像、素晴らしい演技力に圧倒される映画。
★アメリカンハッスルhttp://american-hustle.jp/sp/index.html

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