未在。

『未在』とは、まだまだ学ぶべきことがあるという意味だそうだ。
27歳で懐石料理の店『嵐山吉兆』のトップになり、その後30年以上経たのち、独立した店『未在』は、ミシュランでは関西版の創刊から三ツ星を獲得し、今や日本一の茶懐石の店として知られるようになった。
予約の取れないことでも日本一と言われていたので、いつも電話をかけては諦めていたものが、京都旅行の一週間前にキャンセルがあったようでいきなり予約が取れてしまった。
円山公園の中という絶好のロケーションなのだが、17:45に来店して、皆が揃って18:00に食事がスタートするという掟を最初に聞いた時は、なんだか怖そうな店だなあと思っていたのが、実際に店に入ると、大将のひとりひとりを丁寧にもてなす誠実な接客に触れて一気に緊張もほどけていった。
カウンターの中が見える位置に座ることが出来たため、6時から始まり2時間半くらいかけて、まるで舞台を観ているような素晴らしい時間を味わった。
品数が多く、それぞれに使われている食材もとても種類が多いというのは一つのこの店の特徴かもしれない。たとえば最後のフルーツは、29種類の最上のフルーツが日本中から取り寄せられているし、様々な食材に匠の技を凝らした料理は、どれも感心するばかりだ。
八寸を見れば、その店の力量がわかると言われるが、ここの八寸は、冬至を迎える今の季節を閉じ込めた一枚の絵画のようで圧倒されてしまった。
器を見るのもとても楽しみなのは、魯山人の器を平気で使っていたり、100年前の漆の器を使っていたりするからだ。
吉兆の正統派の日本料理店として、天才的な才能がはっきりとわかる素晴らしい店だ。
『肉さえあれば幸せなK』は、あまりの皿の多さに驚きながらも、黒毛和牛のところで一番目を輝かせていた。
★未在 http://s.tabelog.com/kyoto/A2603/A260301/26002279/

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