夢と希望に溢れる細い目。

27歳の台湾人Keは、台湾の大学を出た後、日本の大学で学びながら、日曜日以外の日はアルバイトを2つ掛け持ちしている。来年の4月に大手の日本の企業に内定が決まり、今は会社の研修が始まったところ。
長引いた風邪が治ったのと内定のお祝いを兼ねて、台湾ではお店はたくさんあるけれども、日本ではあまり見かけない火鍋を食べに、『小肥羊』に行った。
台湾の火鍋は、肉も練り物も海鮮も、みんないっしょくたにごった煮のように入れてしまうことがほとんどだけど、僕たちは少しずつ日本式に入れては食べて、美味しいね。などと言いながらゆっくりと食事の時間を持てた。
故郷の味に近いのか、笑うと目が細くなくなってしまうKeはさらに顔をほころばせて、美味しいと言って火鍋のタレなどの様々な解説をしてくれる。
若い時にお母さんを亡くし、お父さんはタイのチェンマイで働いていて、妹は台湾で暮らすKeにとって、故郷から離れた東京では、時々寂しくなることもあるだろうけれども、幸い彼の周りには、台湾人も日本人も友人が何人もいて、みんなから可愛がられているのがわかる。
研修の課題に対して、僕が、「もっとこんな風にも考えられるし、こんなことをしてもいいよね?」などとアドバイスをするうちに、Keの目が明るく輝きはじめた。今のKeは夢と希望に溢れ、新しく始まる生活に胸を高鳴らせている。若い人たちと話をすると、その希望に溢れた表情を見ているだけで、いいなあとしみじみ思う。
Keからしたら、僕はどうやらお兄さん。というか、お母さんのような存在なのだろうけれど、時々こうして話を聞いてからかいながら、少しずつ成長してゆく弟のようなKeを見ていられたら幸せだ。
★小肥羊 新宿店 http://s.tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13047261/

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