ありふれた週末。

晩秋の朝顔。

ソファで僕は読書。Kは昼寝。

花園神社の酉の市。

土曜日の午後に成田に到着したKは、朝まで仕事仲間と飲んでいたようで、朝から何も食べていなくて小さなリュックで特攻隊のように渋谷に乗り込んで来た。家でおでんを食べてゆっくりした後、夜は花園神社の酉の市に。
はじめて見る熊手と、沢山の人出に驚いていた。明治の頃に始まった酉の市は、意外と地方の人には知られていないけど、晩秋を感じさせる東京の風物詩だ。
この日は『Tack’s Knot』で軽く飲んだ後、『Bridge』で遅くまで飲んでいたのだけど、友人たちが入れ替わり立ち替わり現れKも驚いていたけど、楽しいひとときを過ごすことが出来た。
大分には、二つゲイバーがあるけど、来る人も知れていて、東京のゲイバーの人の多さとは比べものにならない。
地方で暮らすゲイたちは、インターネットのおかげで出会いは容易になったと思うけど、やはり、リアルに人に出会えるバーのような存在が少ない生活は、セックスする人は見つかったとしても、友達は出来にくくきっと寂しいに違いない。
翌日は天気に恵まれて、朝は軽めに牛肉うどんを作り、家の周りから表参道、骨董通りを散歩して、昼は家に戻りイタリアンを作って、ワインを飲みながらのんびりと過ごした。
夜は『Bridge』と『GAB』でほんの少しだけ飲み、早めに家に帰りゆっくりと過ごした。
もしも、Kが東京に住んでいたら、毎週のようにこんなありふれた週末を二人で過ごすのだろうと思う。
特別な豪華な食事などはせず、僕のささやかな手料理と、近所を散歩したり、2丁目にふたりで飲みに行ったりしながら…
それでも、ひとりではなく、恋人と過ごすさもない週末は、ほのかな幸せを感じさせてくれる。

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