温かい人。

後輩のコピーライターと打ち合わせをしていたら、「私、最近、子どもに勉強を教えてるんです」と言う。
よくよく話を聞いてみると、蒲田の銭湯でよく会うおばさんがいて、何度か会って挨拶をするうちに、急に「Yちゃん、頭いい?」と聞かれ、「勉強ならできました」と答えると、「それならお願いがあるのだけど・・・」と。
おばさんは八百屋さんをやっていて、自分の息子の同級生に、お金がなくて塾に通えないような子どもがいるので、そんな子どもたちに、どうか勉強を教えてくれないだろうか?というお願いだったということ。
「それで、どんな感じなの?」と聞く僕に、Yは、「7人いて、おばさんの子どもの同級生なんだけど、母子家庭だったり、6人兄弟だったりで、それぞれに大変な家庭なんです。」
「猫もいるし、家の中はしっちゃかめっちゃかなんですけど、テストの前なんかは集中して勉強を教えに行ってるんです。みんないい子たちで、おばさん、その子たちと自分の3人の子どもと家族の分も含めて食事を作って、その食事が毎回本当に美味しいんです。アップルパイなんかも手作りしちゃうんです。」
けらけら笑って、子どもたちに勉強を教えているYもなかなかだと思うけど、世の中には、こんな八百屋のおばさんみたいな人がいるんですね。
そんな話を聞きながら、いつの間にか僕の胸の中まで、じんわりと温かくなりました。

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