ベニシアさんの四季の庭

園芸家であり、ハーブ研究家として知られているイギリス人のベニシアさんは、貴族でありながら、自分の周りの環境になぜかしっくりこなくて、若い頃インドへ向けて旅に出る。
シルクロードを経て、やがて日本に流れ着き、なんの因果かやがて京都で暮らしはじめる。
僕の大好きな三千院のある大原、春夏秋冬を通して写し出される山や川や田畑の美しさにただ見惚れてしまう。
そして、そんな大原の自然に寄り添うように暮らすベニシアさんの生活は、地に足が着いていて揺るぎがない。
この映画はベニシアさんの、ある種生々しい半生のドキュメンタリーであり、愛する家族や幸福な時も描いているけど、自分や愛する家族が、人生の荒波に揉まれ飲み込まれそうになる時さえも描いている。
ベニシアさんは、とても自分に正直な人で、なんとか自分の感じたこと、伝えたいことを、言葉に出して僕たちに伝えようとする。
彼女の人生の経験の中から口をついて出て来る言葉に、僕は何度も深く頷くばかりだった。
『何が起こったかということよりも、大切なことは、その時にどのように対処したのかということ』
玉のように恵まれたいいことだらけの完璧な人生などなく、様々な困難や思いがけない出来事があり、それを経験することによって、人生が丸く膨らむのかもしれない。
それにしても神様は、それぞれの人の全く違う人生をなんと巧妙に作ったのだろうか…。
★ベニシアさんの四季の庭 http://venetia.jp/

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