一日花。

先日植えた朝顔が、咲き始めた。
まるで神様が、息をそっと吸い込んだようなグラデーションの花を開くのは、本当に朝の早い時間だけ。
日が真上に昇り暑くなる頃には、精巧に開いた花びらは、ほとんど自らの役目を終えたかのように姿を閉じ、再び開くことはない。
朝顔のように、一日で咲き、枯れてしまう花を、「一日花」と言う。「もののあはれ(もののあわれ)」を感じさせる美しい日本語だと思わずにいられない。
誰のためにでもなく、一日、それもほんの朝の数時間だけそっと開くこの花の、なんと愛おしいことだろうか。

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