25年目の弦楽四重奏

今年観た映画の中でも、最も好きだった内の一本。クラシックが嫌いではなかったら、きっと楽しめる映画だと思う。
結成して25年経つカルテットが、ベートーヴェンが亡くなる半年前に完成した曲『弦楽四重奏第14番』をコンサートで演奏する話。
ここでは、敢えてストーリーには触れないけど、四人がそれぞれの人生を生きる、その生きざまが、音楽のように重なり、四重奏を奏でている。
老いて我が身に困難がふりかかろうとも、周りを慈しむクリストファー・ウォーケンの抑えられた演技が素晴らしい。
自尊心をかけて激昂する、フィリップ・シーモア・ホフマンの演技は、観終わった後に改めて恐ろしい俳優だということを思い知らせてくれる。
久しぶりに観たキャサリン・キーナーは、憂いを帯びた賢い女を魅力的に演じている。
緻密な脚本と、巧妙な演出、個性溢れる演技と、壮大な音楽の結晶に、深く心動かされた。
★25年目の弦楽四重奏http://25years-gengaku.jp/

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