自転車。

ベランダのジューンベリーの実が色づきはじめた。
買ってから15年くらい経つプジョーの自転車が、
ここ何年か、駐輪場に置きっぱなしになっていた。
修理をお願いしたところ、
両輪を付け替えるので1万5千円と言われた。
何年も乗っていなかったため、錆びてしまい、
今は哀れな姿になってしまっている。
洋服でも、鞄でも、靴でも、食器でも、洗濯機でも、家でも、
物は、人間や、動物や、植物と同じように、
注目されなければ、離れていってしまうと感じる。
適度な関心と愛情を持って接している物と、
まったく無関心になってしまった物とは、
その物との精神的な距離感が全然違ってくるから不思議だ。
そして、遠く離れてしまった物とは、
その距離を縮めるのはなかなか難しい。
かわいそうだけど、粗大ゴミに持って行ってもらう手続きをしたら、
なんだか急に、昔、自転車ばかり乗っていた生活を思い出し、
新しい自転車を買おうかとあれこれホームページを見てみる。
今の所、迷っているものは、イタリアのABICIhttp://www.abici.jp/
というブランドの町乗りのもの。
よくよく考えてみたら、世の中の流行とは逆行して、
自分があまり早く走ることに興味がないということが分かった。
身体は、あまり前傾にならずに、タイヤは細すぎず、
雨の日でも乗れて、鼻歌でも唄いながら走れる自転車が理想だ。
みんなは嫌がるけど、籐の籠がついていてもいいかもしれない。
どうせ、ネギや大根やセロリを入れて走るのだから・・・笑。
自転車を捨てることを、Kに告げると、Kからメッセージが届いた。
「ちょうど、自転車が欲しいと思っていたんです。
今度、宮崎で会う時に、乗ってきてください」

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