八月の鯨

25年前に観た映画を、もう一度改めて観てみようと思い、岩波ホールへ。
『八月の鯨』は、年上のリリアン・ギッシュ(93歳)が年下の妹を、年下のベティ・デイヴィス(79歳)が年上の姉を演じて話題になった作品。
メイン州の岬の見晴らしの良い家で毎年の夏を過ごす老姉妹は、それぞれの夫を失っている。目が見えなくなり、気難しくなった姉と、心根の優しい妹が、今ではふたりで暮らしている。
ハリウッド映画とは違って、とても地味な作品だ。大きな仕掛けはないし、登場人物も、ほとんどが老人。それでも、この穏やかな映画が25年の後、ニュープリントとなって蘇るには、それだけの価値があるからだろう。
25年も経てば、もしかしたら学生の頃に観た時と、違って見えるかもしれないと思ったら、やはり、感じるものは同じだった。
姉のベティ・デイヴィスは、一言で言うと、正に”Bitch”で、まるで年老いたゲイそのもの。
身につまされる…。
この映画で一番好きなシーンは、妹のリリアン・ギッシュが、月夜の記念日に、赤と白のバラを一輪ずつ飾って、亡くなった夫に話しかけるところ。
「情熱と真実。それが人生のすべてだと、あなたはよく言っていた」。ここも、はっきりと覚えていた自分に驚いた。
年をとることや、人生の普遍的な何かをフイルムにしっかりと焼き付けている稀有な映画だ。
★八月の鯨
http://www.iwanami-hall.com/contents/now/about.html
神保町に行くと、必ずと言っていいほど立ち寄るうどん屋『丸香』。久しぶりに、かけうどんとかしわの天ぷらをいただいた。
いつ行っても、ほとんど並んでいて、店内は賑わっていても、きりっと潔い空気に満ちている。いつでも清潔な店内は、改装したようで、更にきれいになっていた。ここのうどんは、透き通るようで美味いけど、出汁も美味しいと思う。棚にいりこの段ボールがあったから、いりこ出汁なのだろう。
店内は写真撮影禁止のため、うどんの写真は撮れなかった。
★丸香
http://s.tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13000629/

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