シュガーマン 奇跡に愛された男

この世界で現実に起こった話が、想像で作られた物話以上に奇跡のように感じられることが稀にある。
久しぶりにこの上なく美しいドキュメンタリーを観た。アメリカの伝説のミュージシャンを追った『シュガーマン 奇跡に愛された男』という映画。
60 年代後期にデトロイトに現れたロドリゲスは、天才的なミュージシャンと思われたが、二枚のアルバムは全く売れないまま、時代に忘れ去られる。
しかし、その労働者の底辺を味わい尽くしたような音楽が、数奇な運命を辿り、アパルトヘイトの時代の南アフリカに渡り、爆発的なヒットを飛ばすことになる。
その後、南アフリカの二人の男が、死亡説まで流れるロドリゲスを探し求めるというドキュメンタリー。
この、無名のシンガー『ロドリゲス』の作る歌は、弱者や労働者階級、社会の底辺で生きる人々を歌っている。
映画が進むうちに、ロドリゲスの、しっかりと地に足のついた生き方が現れてくる。
無名のアーティストであれ、僕は、こんなに強く美しい人がいたことに驚愕した。
アカデミー 長編ドキュメンタリー部門賞
★『シュガーマン 奇跡に愛された男』
http://www.sugarman.jp/

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