お酒泥棒のパスタ。

Kは、初めて会う前に、「僕、ワインとか飲んだことないです」と言っていた。九州では主に、ビールの後は焼酎に流れることが多いようだ。
最初に大分で会った時に、大分で一番評判のいいイタリアンで食事をした。ランチはパスタしかなかったけど、前菜に生ハムを加えて、三品のパスタと、白と赤のワインを一杯ずつ飲んだ。Kは嬉しそうに、「ワインって、美味しいですね。生ハムってチーズみたい」と言った。
Kがこないだ東京に来た時に、イタリアのワインを飲みながら、ミモレットをつまみで出した時に、Kは、「なんか、このチーズ変わった匂いがします…魚の卵みたい」と言って不思議そうに見ていた。
夜に帰宅して冷蔵庫を開けると、そのミモレットが残っているのが見えたので、サラダを食べた後、子羊の網焼きをマリネしている時に、得意の「ミモレットのパスタ」を作った。
Kは僕と過ごすことで、今まで出会わなかったものに出会い、時には戸惑い、恐る恐る感想を述べる。それを見て、僕は、ニンマリしている。
自分がまだ出会ったことのないものに出会い、挑戦することも、つきあっていく醍醐味かもしれない。
初めてKの車に乗って、助手席で「浜崎あゆみ」を聴かされた時は、僕にとって、かなりの挑戦だった気がする…。
★ミモレットのパスタ
1.スパゲティを茹で始める。
2.ミモレットを削っておく。
3.フライパンでパンチェッタを炒めて黒胡椒をたっぷり。塩をひとつまみ。茹で汁を大さじ2。
4.パスタの標準茹で時間より1分30秒早めに茹で上げたスパゲティをフライパンに入れ馴染ませる。
5.お皿によそい、オリーブオイルを回しかけミモレットを散らし、クレソンを添える。
※パンチェッタが無ければアンチョビでもいいし、生ハムを後から散らしてもいいし、ニンニクを炒めてもいいし、何も無くても十分美味い。野菜も無くてもいいけど、クレソンやチコリなどの苦味のある野菜を少し合わせると、ミモレットの濃厚さが深まる気がする。茗荷でもよい。
とにかく、お酒泥棒のパスタだから、ワインかシェリーか日本酒を用意してから作り始めるように。食べている時に、「このパスタ、反則だよな…」と思うに違いない。
しいて言えば、ボッタルガのパスタと、カルボナーラを合わせたような味かな。ふふふ…
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