ジャンゴ 繋がれざる者

公開初日に、はりきって観に行って、あまりの暴力シーンに、返り討ちに遭い、途中でげんなりして劇場を出てしまい、今日もう一度見直した映画。
前作の、イングロリアス・バスターズは、ユダヤ人虐待に対する、復讐をドラマティックに描いたタランティーノだけど、今作は、アメリカの黒人奴隷制度というアメリカの暗部に、見事に斬り込んだ壮大な復讐劇。
この監督、どれだけ虐待や暴力が好きなんだろう?と思うほど、いつものように「出血」が大サービスだし、効果音も凄い。人間が、痛いと感じる様々な痛みを、これでもか⁉という映像で想像させてくれる。僕は、暴力シーンや、虐待シーンを、映像で観ることに生理的な抵抗があるのだけど、今日は、なんとか頑張って最後まで見届けた。
映画は時々、作り手の意図によって、観客の観たくないものをあえて目の前に提示することがある。タランティーノは今回、アメリカの暗部と言われる黒人奴隷制度を、我々に、エンターテイメントとして叩きつけた。それは、僕にとっても目を背けたくなるような酷い歴史だけれど、それを知ることによって、より、現代に繋がるアメリカの歴史を知ることにもなるのだろう。
この映画の設定は、リンカーンが奴隷解放を成し遂げる時代、南北戦争が始まる頃で、今から150年くらい前の話。その頃の人たちが、今のオバマ大統領を見たら、どんなことを思うだろうか?アカデミー賞の授賞式で、最後にミシェル・オバマが出て来て作品賞を発表したけど、作品賞が、この黒人奴隷制度への復讐劇であるジャンゴであったら、もっと盛り上がったかもしれない。
脚本が巧妙で素晴らしいので、今回はあえてストーリーには触れないけど、今年、絶対に見逃してはならない一本。
★ジャンゴ 繋がれざる者
http://www.sonypictures.jp/movies/djangounchained/mobile/

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