ドラキュラの家。

僕の家の窓から、大通りを挟んで向かい側の高級マンションには、かつて北欧から来たカップルが引っ越して来て、やがて娘を産んで、その後2人目を産んだ後、今年の春に引っ越して行った。

外国人らしい開けっ広げな人たちで、カーテンを閉めることはなく常に全開。食事をする時は僕たちと同じ時間に向かいで食事しているのが見えたりしていた。

見えると言っても、30メートル以上離れているので、何を食べているかまでは見えない程よい距離感だ。

その後、その家に日本人らしき家族がすぐに引っ越して来てかれこれ5ヶ月くらいになるだろうか。

その家族は窓のカーテンを夕食時になると締め切り、そのまま朝まで開けることはなく、朝6時過ぎに開けるのだけど、人が食事をしているところを見たことはない。

時々、大人数の人が訪れて、テーブルを囲んでいるのを目にしたこともあるけど、何か話しているだけで、食事の時間になるとカーテンはピシャリと閉められていた。

Kは、彼らは実は大家族で、みんなであの家に暮しているんじゃないか?とも言うけど、100平米くらいの2LDKの家に、大人数が暮らしているとも思えない。

可能性があるとすると宗教団体かなと思うけど、祈祷や呪いをしているところは今のところ見えない。

僕たちが時々シャワーを浴びてから上半身裸でウロウロしているので、小さな子どもに見えてはいけまいとカーテンをするのかとも思ったのだけど、僕たちが熱海から帰って来た日も、僕たちはいないのにカーテンは締め切られていた。

「もしかしたら、あの家、ドラキュラの家なんじゃないかな?」

僕が思いついて言うと、Kも、「ちょっと普通じゃないよね…しかも最近昼間もずっとカーテンが閉まってるし、時々隙間から外を覗いてる時があった」

テレワークで家にばかりいるため、向かいの家の動向が気になるのかもしれないけど、世の中には不思議な人たちがいるものだ。

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