京都の御池通りから木屋町を下がったところにある『河久』は、京都の中でも、僕が最も訪れているお店。
お料理は、『洋風割烹』とでもいおうか、和食の割烹料理に洋食が適度に混ざり合い、いつ食べても飽きないお料理だ。
この『河久』は、Kの前に僕が10年間つきあっていた今は亡きNの行きつけだったお店で、京都大学の頃から通っていたNは、僕と京都に来るたびにこの『河久』に来るのを楽しみにしていた。
2年前くらいに仕事で京都を訪れた時に、『河久』に来て以来、今回は予約を入れていなかったのだけど久しぶりにお店に行ってみた。
お店は、70代後半の大将が、今は外でお客さんと話す感じで立っていて、その息子さんが切り盛りをして、料理人が料理を作っている。
僕が大将に久しぶりに会って、大将にNの話を切り出したら、大将の目から涙が溢れ出した。
大将「Nさんは、本当にいい人だったなぁ…この店が好きで大学の頃からよく来てくれたんですよ…まさか、こんなに早く亡くなってしまうなんてね…声が大きくて、キップが良くて、いい男だったのに…」
僕も、大将の涙を見ながらついもらい泣きしてしまったのだけど、こうやってNとの思い出の店にKと来るようになって、Kは、自分が付き合う前の僕とNの日々に耳を傾けている。
それにしても『河久』の、手羽先、春巻き、天ぷら、竹の子のなんて美味しいこと。
Nにも食べさせてあげたいと思いながら、思い出の料理を噛みしめたのだった。
⭐️ 河久
075-211-0888
京都府京都市中京区木屋町通御池下ル上大阪町518