天草のあたたかさ。

初日に行った『奴寿司http://s.tabelog.com/kumamoto/A4305/A430501/43001204/』の大将は、カウンターに座った4歳くらいの女の子を、自分の孫のようにやさしく相手をしながらお寿司を握ってあげていた。
高倉健も贔屓にしていたという、『明月http://s.tabelog.com/kumamoto/A4305/A430501/43005546/』という天草ちゃんぽんのお店に到着するものの、結局この日はお店が開かないと知る。
「先ほど13時から開くとお電話では聞いたのですが…」と、出前中のお店のおじいさんに言うと、「今日は出前だけでいっぱいいっぱいなもんで、お店は出来ないんですよ」とのこと。
そんな返事でも、そのおじいさんがとても誠実に答えてくれたので、また今度来たいなあと思えたのだった。
近場に天草ちゃんぽんのお店はないものかと探し、天草ちゃんぽん札所参という『かどや食堂http://tabelog.com/kumamoto/A4305/A430501/43009385/
』に向かった。
食堂に入ると、おじいさんとおばあさんが座っていて、他におばあさんがふたり、定食を食べているところだった。このおじいさんとおばあさんはお店の人で、駐車場を探す僕を見るなり、ニコニコニコニコしている。
ちゃんぽんを頼むと、しばらくしたのち野菜たっぷりの天草ちゃんぽんが出て来た。このちゃんぽんが思いのほか美味しくて、帰りにまたキッチンを覗いて「ご馳走様!」と声をかけると、またしてもおじいさんとおばあさんはニコニコして外に出て来るのだ。
この店はきっと、過疎化が進んだ天草の町で暮らす老人たちが食事をしに来ては、おしゃべりをしてゆく店なのだろう。
夜に行った『福伸はなれ利久http://s.tabelog.com/kumamoto/A4305/A430501/43008236/』は、有名な『福伸』の支店で、手軽な値段で天草の海の幸と天草大王などの鳥も食べることが出来る。
お料理を運んでくれる若い女の子がとても感じがよくて、「頭が本当に小さくて、まるでモデルさんみたいだね」と褒めると、顔を真っ赤にしてはにかんだ。
天草の最終日の朝に、朝ごはんを持ってきた宿のおばさんは、お料理を運びながら、「今日でおかえりですねえ…寂しいですねえ…」と、ポツリと言った。
このおばさんとも、挨拶とちょっとした会話をしただけなのだけど、そんな言葉お世辞なのかもしれないけど、なんだかちょっとうれしくなった。
旅には、名所を回ったり、美味しいものを食べたり、はじめての経験をしたり、様々な楽しみがある。
今、東京に帰ってきて天草のことを懐かしく思うのは、天草で出会った人たちのこと。
今でも彼らの笑顔を思い出すだけで、温かくなる。
カテゴリーtrip

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です