手をつなぐ。

Kと一緒にドライブをしていると、運転はKがしてくれるので、僕は助手席に座って景色を眺めていたり、時々鼻歌を歌っていたりする。
クルマに乗っている間はほとんどずっと、僕は右手をKの左脚の上に乗せている。
Kは、僕の手を感じると、右手でハンドルを握りながら左手を僕の右手に重ねてくる。そして、僕の右手の指を丁寧に触る。わかってるよ…とでも言うように。
手を触られていると、言葉ではなくても、Kの思いが伝わる気がする。まるでKが横で、さもないことを僕に話しかけているように。
クルマに乗って、ふたりで手をつないでいると、時々Kが運転の途中に僕の横顔をちらっと見ることがある。
それは、自分の恋人がどうしてるのかな?とふと確かめるようであり、Kに運転させておいて僕だけスヤスヤ寝ていないかどうかチェックするように。
うとうとしていた僕は、Kに悟られないように、慌ててKの手をぎゅっとつかむ。
Kはほんの少し笑って、また手を握り返してくる。
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