TRNASIT

東京フィルメックス、既に4本観たのだけど、どれも日本ではなかなか想像出来ない現実を描いた秀作揃いだ。
『Transit』は、イスラエルにおける、フィリピン人出稼ぎ労働者とその家族を扱った社会的な映画。
経済的に破綻しているフィリピンでは、仕事もなければ、生きてゆくこともままならない人たちが、イスラエルなど世界の様々な国に働きに行き、そこで現地人との間に子どもを設けるが、国に認定されずに強制送還されるケースが相次いでいる。
イスラエルで生まれ、フィリピンに行ったことさえない子どもでも、イスラエルを母国として認められず強制送還される現実は、なかなか日本で暮らしていると、ニュースや新聞で読んだとしても、想像することすら不可能だと思う。
『映画』の凄いと思うことの一つは、今まで体験したことのないものや、知らない土地の出来事でさえも、見て、感じて、想像することが出来ることだと思う。
父親、姉、娘、息子、姪…それぞれの立場と人生を丁寧に描きながら、全体としては、理不尽な、世界で起きている出来事の現実を知らしめ、家族愛への深い共感性を抱かせる素晴らしい作品だった。
★TRANSIT http://filmex.net/2013/fc06.html

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