ILO ILO

東京フィルメックス映画祭が先週末から始まった。
今日観たシンガポール映画の『ILO ILO』は、前にシンガポール人の友人から勧められていた映画で、カンヌで新人監督賞を取り、中国語圏最大の映画祭でも、台北金馬奨というグランプリを取った話題の映画。
これから日本でも公開されるようなのでストーリーには触れないけれども、90年代のシンガポールの中流家庭、10歳のいたずら坊主と共働きの両親の家に、フィリピン人の家政婦さんが住込みで働くことになり、家族の関係が変化してゆくという話。
まだ若い監督なのに、役者の演出も素晴らしいし、画面の緊張感もあるし、グイグイ引き込まれるストーリー展開に驚かされた。
ある程度生きていると、「人生とは、なんと不条理なものだろうか…」と、途方に暮れる時がある。
そんな微妙な、生きることに対するある種の諦めにも似た感情、目の前に起こる現実を穏やかに受け入れてまた生きてゆく人々を、温かく丁寧に追った佳作だと思う。
★ILO ILO http://filmex.net/2013/fc05.html
アカデミー外国語映画賞にも出品される本作は公開が待ち遠しいけれども、29日(金)に、朝10時から追加上映が決まったので、時間のある方はぜひ、有楽町の朝日ホールまで行かれてはどうだろうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です