犬とは違って、猫にはしつけは出来ないものなのかもしれない。
猫はなんというか、野生動物を家で飼っているようなものだ。
ソファで爪を砥いだり、キッチンのコンロに登ったり、iPhoneの充電器の線を齧ったり、スウェットの紐に飛びついて来たり、自分がその瞬間興味のあるものに好奇心のままに行動を起こす。
その場でそれはしてはいけないと叱っても、全く学ぶことはないと言える。少ししたらまた同じことを繰り返すからだ。
夜にシンクやコンロに飛び乗ったり、洗ったフライパンを舐めるので気になり、テープを上がって欲しくないところに貼ってみた。
暗闇の中テープが身体に巻き付いて慌てて降りたのがわかった。
猫と暮らしていくことは、これから先もこの猫の好奇心との戦いというか、共存なのかなと思う。
犬は何万年と人間と一緒に暮らして来た中で人間との親密な関係を築くことに成功したのだろう。
猫は家族というよりも、ただ同じ空間を共有しているに過ぎない感じがする。