松茸ごはん

東京に行ったついでに、帰りがけに高島屋に寄って松茸を買ってきた。

普段東京にいた時でも松茸を買うことはなかったのだけど、宮古島に来てからなぜか秋らしい季節のものが食べたくなったのだ。

それと、Kが土瓶蒸しは食べたことがあるけど、松茸ごはんはほとんど食べたことがないと言っていたので、一度一緒に食べたいと思っていたのだ。

松茸ごはんは松茸の出汁があるから、薄口醤油と塩で味付けをして、お出汁は必要ない。

土鍋が蒸気を吹く頃には部屋中に松茸の香りが広がってなんとも贅沢な気分になる。

茶碗に装って松茸ごはんを口に運ぶと、美味しいという気持ちと一緒に小さな頃に家でよく食べていた松茸ごはんのことが思い出された。

父は松茸が好きで、この時期週に何度も松茸ご飯が食卓に並んだ。

僕は松茸の匂いがあまり好きではなく、何でこんな臭い食べ物が好きなのかさっぱりわからなかったものだ。

それがどうしたことか、大人になって京都などで松茸を食べるようになりその美味しさに改めて気づかされた。

僕が子どもの頃の我が家は裕福な家ではなかったけど、父は無理をしてでも松茸を僕たちに食べさせようと思って買ってきていたのだろう。

松茸を食べると、父のことを思い出す。

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