Kと一緒に海を連れていつもの平良にあるドッグランに行った。
ランには他の犬はいなかったので走り回る海を眺めていたのだ。
すると、隣りのバスケットコートに大学生くらいの男の子が一人でシュートをしているのが見えた。
朝とはいえ外気はぐんぐん上がり続け、30度近くになっていただろうか。
ふとバスケットコートを見ると、男の子はTシャツを脱ぎ始めた。
首が抜けずにいる身体は日に焼けていて、無駄な贅肉がなく腹筋がきれいに割れている。
僕は男の子から目が離せなくなり、シュートの練習をする姿を悪いとは思いながらもチラチラ見ていた。
胸もしっかりあって、顔は宮古島の人ではなく移住者のように見えた。
日差しが容赦なく照り付けて、日に焼けた筋肉を太陽が照らしていた。
性的指向というのは、変えることなんか出来ないのだ。
今はもう53歳になるのに、物心ついた時から僕は何も変わっていない。
そして、そんな生命の内側からくる本能的な欲望を、とてもうれしく感じられた。