やさしい犬。

海はとても無邪気で、この世の中には自分を攻撃してくるような悪い者がいるとは思っていないように見える。

散歩に行っても誰にでも寄っていくし、他の犬にも一緒に遊ぼうと寄って行ってしまう。

今日、湯河原のドッグランに行った時に、海の他にしばらく犬はおらず力を持て余していたところ、ボーダーコリーとオーストラリアンシェパードのミックス犬がやってきた。

その犬はどこか挙動不審で、飼い主は「臆病で怖がりなんです・・・」と言っていた。飼い主さんは海を可愛いと言ってくださり、一緒に遊ばせてみようかということになった。

ボーダーはまるで海など眼中にないように振る舞っていたのだけど、人間にも興味がないようで飼い主以外のところに来る気配もない。「そういうボーダーって多いよな」と思いながら、途中で海をフリーにすると海はすぐにボーダーに寄って行き、一緒に遊ぼうと飛び跳ねている。

海はただ一緒におっかけっこをしたり走り回りたいようで、ワンコの友達に会えてとても喜んでいたのだけど、そこで急にボーダーが海に噛み付いたのだ。それも首を噛んだ後、海の耳に噛み付いたままはなざず、僕が止めに入った。

海はひたすら鳴いていて、でも、決して反撃に出ようとはしなかった。僕は、こんな噛み犬をドッグランに連れてくる飼い主に腹が立っていた。噛み犬だと見抜けずに用心しなかった我々がいけないのだが・・・。

海はかわいそうに、耳に小さな血を出していたけど、大きな怪我はなくて安心した。

今回の出来事を見ていて感じたことは、臆病で怖がりだったり、神経質になっている犬は急に爆発する怖さがあるということ。それはおそらく育ってきた環境もあるのかも知れないし、持って生まれたその犬の個性なのかも知れない。

それにしても、海はなんてやさしく、いい子なのだろうと心の底から思ったのだ。相手の犬に怒って噛みつきかかって喧嘩になるわけでもなく、ただ「痛い痛い!」と泣き叫んでいたのだ。野生の世界では単なる負けになるのかも知れないけど、僕はこんなやさしい海を心の底から誇らしく思ったのだ。そして、怪我をさせたほうが海ではなくて良かった。

ドッグランでは、すべての犬が社会化ができているわけではないので、今後はよくよく注意しなければと強く思ったのだった。

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