自分の人生で何か後悔していることはあるかな?と考えたら、あまり心当たりはなかったのだけど、唯一「子どもを育てたかった」と思った。
僕の若い頃は僕も含めてゲイの友人たちも、自分の未来のことはあまり楽観できずに、「一生ひとりきりで生きていかなくてはならないんだ・・・」と思っていたものだ。
男同士が結婚できるわけなどないと思っていたし、周りに男同士で長いパートナーシップを続けているロールモデルのようなカップルなどいなかったのだ。
80年代は世界中がそんな感じだったのだけど、でも今この時代に僕がゲイとして生まれていたら、もしかしたら人生はもっと違っていたように思える。
日本ではいまだに同性による結婚は認められていないけれども、世界中でゲイやビアン、トランスの親が子育てをしているのをネットで知ることができるから。
同性による結婚をこの国が認めてくれたら、これからの若い世代のセクシュアルマイノリティも、もっと自由に大きな未来が思い描けるに違いない。
そのためにどんなことがあっても、僕に残された一仕事をなんとかやり遂げたいと思っている。