デイサービス。

毎朝海の散歩をしていると、上の桜並木を歩いている時にデイサービスの車を何台も見かける。

熱海の周りには養護施設がとても多いのは、温暖な気候や美しい景色もさることながら、熱海市自体が日本の少し先をいったモデルと言われるように高齢者が多いことも関係しているのだろう。

僕はほぼ毎朝決まった時間に散歩に出るので、決まった時間に止まっているデイサービスの車に遭遇する。介護士さん(ヘルパーさん)は海と僕に挨拶をしてくれ、やがて白髪のおじいさんがおばあさんと一緒に玄関までやってくる。

そこでヘルパーさんがおばあさんの手を取りながら一段一段階段を下り、ゆっくりと助手席におばあさんを乗せる。おばあさんは85歳くらいだろうか?認知症を患っているのかほとんど表情はなく、しゃべることもない。

おじいさんも同じくらいだろうか?うちの父や母の世代に見えるけど、おじいさんはしっかりとしていて僕ともよく挨拶を交わすしおばあさんに話しかけながら笑っている姿を目にすることもある。

おじいさんとおばあさんの家はとてもモダンで、海を見渡せる高台に建っている。きっと朝と夕方は、おじいさんとおばあさんは二人でのんびりと美しい海を見ながら過ごしているのだと思う。

デイサービスのような仕事が普及して来ていてとてもありがたいと思う。おじいさん一人ではおばあさんを一日中面倒を見ることは、もはや不可能だろうから。

僕たちの暮らしの中に、こうしたデイサービスの風景があることは、かわいそうなことや悲しいことではなく、もはや当たり前の日常のシーンになって来たのだ。

若い頃は自分が年を取るなんてあまり実感がわかないものだったけど、誰でも同じように年をとる。

人生の最も後半に差し掛かった時に、貧富の差など関係なく、毎日を家族とともに穏やかに暮らしていけるように支え合える社会になることがとても大切だと思う。

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