家の周りの人々。

先日、海をいつものように散歩していたら、階段をゆっくりと降りてきた先の家にラブラドールがいて、そこに海から帰ってきた50代後半くらいのご夫婦と30代くらいの子どもなのか友人なのか若い人もいて、挨拶をした。

男性の声はどこか聞き覚えがあって、「あれ?歯医者さん???」と思ったのだけど、片付けに忙しそうだったのでそのまま通り過ぎた。その家は海を見渡せる絶景の家で、夫婦とも歯医者さんなのできっとお金もあるんだろうな・・・と思っていた。

今日、歯医者さんに行ったので聞いたところ、バブル期に買ったそうでその頃は目玉が飛び出るくらい高かったとのこと。僕は、自分が通い出した歯医者さんの家が自分の家から200メートルくらいのところにあった偶然にとても驚いた。

海には、「ララ」というコリーと「ハシ蔵」というゴールデンレトリバーの友達が家の周りにいる。どちらも散歩をしていると会うワンちゃんで、特別仲のいいのがこのララとハシ蔵なのだ。

先日いつも歩いている家のちょうど真上の家の前を通りかかったところ、僕の家の真上の家が「ハシ蔵の家」であることがわかった。ハシ蔵はとても人懐っこく犬にも懐っこいワンちゃんで、いつも爽やかで頭の良さそうな20代後半か30代頭くらいの娘さんが散歩をしている。

その時は娘さんのお母さんもいて、海とハシ蔵がとても仲良くじゃれあっているのを見て、「今度うちでプール出しますので、遊びにきてください!」とお誘いを受けた。お母さんは明るく親しみやすい感じでとても仲よさそうなご家族だなあと思った。

海を連れているおかげで家の周りの様々な人が気安く声をかけてくれることがとてもありがたい。左側の坂を登った絶景にある家には白髪の80代くらいのおじいさんが住んでいて、毎日庭の手入れをしている。海と散歩をしていると決まって声をかけてきて、「本当に可愛いワンちゃんだねえ・・・」と言ってくれる。

夕暮れ時にもおじいさんは時々外に出ていて、夕焼けで染まる海を、飲み物を片手にのんびりと座っていることがある。そして大きな音でオペラのアリアが流れている。

ここに引っ越してきて、少しずつ家の周りの人たちと知り合いながら思うことは、一人一人の物語があるなあということ。もちろんどこで暮らしてもそれぞれの人生の物語はあるのだけど、都会ではあまり近所の人に関心を持たずに生きてきた分、この田舎暮らしで人の顔が見える緩やかな付き合いが新鮮に感じられるのだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です