7月3日土曜日、午前中からLINEが果てしなく届きだした。
「ただしさん、ご無事ですか?家は大丈夫ですか?」
何があったのだろう?と思っていたら、熱海の土石流がニュースになっていた。
僕たちは海を連れて島を回っていたのだけど、あまりのすごい映像に東日本大震災の津波を思い出していた。
LINEには、日頃ほとんど連絡を取らなくなった友人からも次々と心配メッセージが送られてきたのだけど、これはもしかしたら、僕がフェイスブックなどのSNSをやっていたら、すぐに知り合いに安否を知らせることはできたのかもせれない。
僕には友人は、ほんの数えるくらいしかいないと思っている。でも、こうして温かいお気遣いをいただくと、改めてとてもありがたく感じられた。
被害の起きた伊豆山は、僕の住んでいる西側とは場所が離れていて、湯河原寄りに位置しとても古い伊豆山神社がある。
急斜面ではあるものの地盤のしっかりした場所であるということは、熱海在住の人から聞いていた。実際に、ホテルや保養所、別荘も多く、熱海の中でも海の見える場所の一つとしても有名だった。
それがこれだけ大きな被害になってしまったのは、山を人工的に手を入れた「盛り土」が一つの原因と考えられているようだ。熱海は、ほとんど平地のないような地形であり、どこもかしこも坂や斜面だらけの町だ。でもその斜面によって織りなされる景観が他の場所にはない独特の美しさを兼ね備えている。
今回、伊豆山の一部で土石流が発生したのだけど、同じように雨が降り続いていたにもかかわらず、他の場所ではほとんど被害は見つかっていない。せいぜい倒木があったくらいだろうか。
山をいじってはいけないのだろう。海をいじってはいけないのだろう。
被害に遭われた方々の一日も早い復旧と快復を願うばかりだ。