家族のもとへ。

駒沢で撮影が終わったのはほぼ予定通りの4時半過ぎ。普段ならば撮影の余韻に浸ったり、クライアントとしばし歓談をするのだけど、僕は挨拶をして一目散にタクシーに飛び乗った。

駒沢大学駅から電車に乗り継いで品川に着いたのは4時56分。品川発のこだまは、5時4分。ダッシュでこだまに駆け込み、熱海駅に着くと、そのまま迷わずタクシーに飛び乗った。

昨日はKが休みを取り、海と過ごしてくれていたのだけど、今日は僕が帰るまでおよそ9時間も海はひとりでケージの中で過ごしたのだ。

家に着くと、海は玄関を開けた途端に鳴き出した。ケージの中は荒れた様子もなく、それでもうんちを踏んでしまった足跡があったので、そのままお風呂場に直行してシャワーを浴びさせる。

そこにタッチの差でKが帰って来て、僕たちのシャワーを覗き込む。

海は、やっと会えたうれしさのあまり興奮しているけど、それと同時に嫌いなシャワーを浴びながら複雑な顔をしている。

お風呂から上がって海を抱きしめた。

そして二泊ぶりにKの顔を見て、ほっとした。

たった三人の家族だけど、こうして一緒にいるだけでとても温かい。

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