小さな心づかい。

ずいぶん前に会社のデスクに常駐していた派遣社員の女性Tちゃんは、いつも明るい子だった。
いつだったか、僕が急に頭が痛くなった時にTちゃんの持っていた頭痛薬をくれたのだけど、その時に同時にコップに入った水を手渡してくれた。
僕はその薬を水と一緒に飲もうとすると、お水ではなくぬるま湯だったのだ。
ぬるま湯はとてもやさしく、薬もすーっと違和感無く身体の中に入っていった。
それ以来、胃薬だったり何回か薬をもらうことがあったのだけど、そのたびにいつもTちゃんから手渡されるのは、白湯とお水の間のぬるま湯だった。
それから僕は、人に薬を手渡す時には、出来る限りぬるま湯で渡してあげるようにしている。
ほんのちょっとのことだけど、やさしさって、そういうことなのかもしれない。

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