『同性婚訴訟』その後。

実は、7月8日に再び裁判所に行ったのだ。当初、僕が行うことになっていた意見陳述は許可がもらえなかったため直前に延期になってしまった。
その時に、こちらの弁護士と国側において応酬があった。これは、こちらが何を聞いても、国側が、「この国で結婚というものを認めた時代において、『同性婚』のことは想定していなかった」という発言を繰り返したからである。「想定していなかった」「想定していなかった」「想定していなかった」「想定していなかった」と、30回くらい繰り返しただろうか?
その後、8月9日に裁判所に行ったのは、次回の日程や何を準備するかなどを話し合う第2回進行協議期日。この場では少し突っ込んだ話し合いが、弁護士、裁判官、国の間で執り行われた。我々原告は、小さな裁判所の片隅に座り、固唾を飲んで彼らのやり取りを見守り続けたのだ。
そんな中でひとつ、とても感心した弁護士(原告代理人)の言葉をここに載せておこうと思う。
裁判官:
時代の移り変わりによって法律がそぐわなくなり、変えていくことを求められるようなケースがあるが、同性婚が認められていないという問題も、そういうことと近いのではないだろうか?
原告代理人:
性的指向・性自認が自らの意思で変更できないことや、かつて疾病と思われていたが実際には違うというのは、まさにその点である。価値観の変動というよりは、天動説と地動説やハンセン病の話に近い。科学的に誤ったことを前提にした法制度が、 後に前提が誤っていることが発覚して、そこからどうするかという話である。
つまり、その時代ではわからなかったことだけど、性的指向や性自認、同性愛に関する様々な真実がわかってきた今になってみると、当時作った法制度は、まったく前提として間違っていたということ。(ハンセン病の裁判に近い)
このようなやり取りを繰り返しながら、『同性婚訴訟』は少しずつ進んでいる。

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