ひとりずもう

Kは、『ちびまる子ちゃん』が好きだ。
Kが先に家に帰っていて、僕が後から家に帰ってくると、いつも『ちびまる子ちゃん』を見ている。
僕もKと一緒に暮らすようになったおかげで『ちびまる子ちゃん』を見るようになり、さくらももこさんの才能を思い知った。
Kの『ちびまる子ちゃん』好きを知っている僕の美容師さんが、K2貸したい本があるとずっと前から言っていて、先日Kが美容院に行った帰りに、その本を借りて帰ってきた。
なんでもその本は、テレビでは永遠に小学三年生だったまるちゃんが、少しずつ大きくなっていく話しなのだそうだ。
それはきっと、せつない話なのだろうと思う。
大人になっていくことって、せつないことだから。
Kは、今まだ見たことのない表情で、ベッドで僕の横で真剣にその本を読んでいる。
僕は、『ちびまる子ちゃん』だけでいいかなと思う。
『ちびまる子ちゃん』は、僕の中では、永遠に小学三年生でいてくれたらいいや。
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