一陽来復

随分昔に、早稲田の穴八幡宮のことをここに書いたことがある。
冬のある日にタクシーに乗っていたところ、運転手さんが何気なく話し始めたのだ。
「お客さん、〇〇〇〇って知ってます?
あそこは冬至の日に朝から夜中まで人が行列してお札をもらいに行くんですよ。
なんでも、そのお札を貼ると、その年はお金の工面で苦労しないんだとか。
本当かどうかわかりませんが、その人の多さといったら…」
そんな話を忘れていた頃、なぜかふと思い出して、僕の記憶の中ではそれは、曙橋近くの『抜弁天』だったのだけど、『抜弁天』をいくらネットで調べてもそんな話は出てこない。
しばらくして、どこか他の神社かもしれないと思いネットで検索したところ、早稲田にある『穴八幡宮』だとわかったのだった。
その年の12月22日の僕の誕生日の日に『穴八幡宮』に行き、お札をもらい、翌日の夜中の0時にその年の吉方位に向けて貼ったのだけど、0時丁度に貼るというのがとても難しくちょっとズレてしまっていた。
その翌年もトライしたのだけど、時報の声に合わせて貼ったら、これまた時間がズレてしまった。
今年こそと思い、いただいたお札を節分の真夜中に貼らねばと、鼻息荒く東急ハンズに強力両面テープを買いに行き、Kと食事をして準備万端で家にたどり着いた。
裏面にテープを貼って、壁に画鋲で上辺だけ止めて、紙の下には画鋲を置いて壁にくっつかないようにしてセットした。こうしておけば、あとは0時丁度に下の画鋲を取り壁にペタッとつけるだけで良いではないか!(我ながら天才的な思いつき)
沖縄料理を食べて、しこたま泡盛を飲んでしまった僕たちは、酷い眠気に襲われていて、風呂から上がったKはそのまま熟睡してしまった。
僕は、なんとしても23時55分には起きて、リビングで時報を待ち構えなければと、目覚ましをかけたけど熟睡に…。
やがて、23時55分になり、「あれ?なんか鳴ってる?」と飛び起きた僕は、「ハッ」となぜ起きたのかを思い出し、慌ててリビングに行き0時丁度に壁に貼ることができたのだった。
翌朝起きたKは、「お札どうしたんだっけ?」と僕に聞いていた。
⭐️一陽来復http://jingumae.petit.cc/banana/2532995

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