壊れた冷凍庫。(前篇)

夜中に目が覚めて、キッチンにお水を飲みに行くと、なんだか聞いたことのない音がしていた。音の元をたどると、それは冷蔵庫から鳴っているようだった。
慌てて冷蔵庫を開けると、温度に変化はないものの、なんだか焦げたような異臭がするではないか。
一旦、冷蔵庫を切ると、音はまだ鳴っていたので、今度は冷凍庫の電源を切ると、その音も止んだ。そこでもう一度電源を入れて様子を見てみることに。次の日の朝、出がけに冷凍庫のブザーが鳴った。どうやら庫内の温度が下がっているよう。
僕の大好きな冷蔵庫も、かれこれ15年は使っているだろうか?このところ忙しく、霜取りも怠っていたので、霜がつきすぎてしまったのかもしれない。そこで『MIELE』に電話をして、翌日修理に来てもらった。
修理のためにやって来たミーレのお兄ちゃんは、ここだけの話、短髪で背が高く、ガッチリとしていて、暑い夏に汗をかきながらやってきた精悍な顔を見た時には、自分がまるでゲイビデオの中に入り込んでしまったのかと思うほど。
僕「まさか、冷凍庫が壊れるなんて考えもしなかったです。すごいショックで、昨日は何度かこの冷蔵庫をハグしていたんです。ごめんね。って言いながら」
お兄ちゃん「うちの商品をそんなにも愛してくださって、ありがたいです。なんとか治したいですね!」
お兄ちゃんの言う通りすべてやって、霜取りもして、お兄ちゃんは帰って行って、また電源を入れ直して数時間経過したのちにまたお兄ちゃんから電話が入った。
お兄ちゃん「今の時点で数字は出てますか?」
僕「出てませんね」
お兄ちゃん「あああ・・・(とても残念そう)そうしたらもう、一度引き上げてコンプレッサーを換えないといけませんね。それがだいたい10万円で、ご自宅からクレーンでないと出せないと思うので、クレーン代金が7万かかります。いかがいたしましょうか?本当に申し訳ございません」
僕「買い換えるか、ちょっと考えてまたご連絡しますね」
大好きな冷蔵庫が故障したことで、僕はひどく元気をなくし、いったいどうしようか・・・と途方に暮れた。この冷蔵庫自体、前のマンションに引っ越した時だから、20年は経っていないけど、15年くらいだろうか・・・よくも毎日働いてくれたものだと思う。
クレーンを使わないといけないのは、この家に引っ越しする時に、いくつかの家具が入らなくてクレーンで入れたので、今回もそのパターンだとわかっておいたのだけど、7万って、可愛くない値段ではないか。(僕の人生って、なにかにつけ人より無駄にお金が派生する気がしている)
その後、Kとふたりで、買い替えを念頭に量販店に冷蔵庫を見にいき、残念なことに気に入ったものが一つも見つからず、冷蔵庫を買い換えることは一旦諦めた。
そして、冷蔵庫はまだ使えるので、翌朝起きて、三菱の31000円の冷凍庫を買い求めたのだ。これでしばらく、買い換えるか、修理に出すか、悩む時間が出来たということ。
家電の命はせいぜい10年と思った方がいいと言われるけど、家に置く以上、自分が納得したものを選びたいじゃないですか。10年以上もずっと一緒に過ごす家電って、もはや家族のようなものだと思うのです。
あああ、ニューヨークに行くまでに、決めたいところ。

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