Aの遺灰。

ニューヨーク旅行から帰国したKIから連絡があり、ぺんぺん草に飲みに出るというのでKとふたりぺんぺん草へ。
KIは、僕のお兄さんのような人で、僕がまだ大学生の頃、はじめてイタリアに連れて行ってくれた人。ニューヨークへも一緒に行ったことがある。
一緒にニューヨークへ旅行をした時に泊めてもらったのが、ここに先日書いたアッパーウエストにあるAさんの家http://jingumae.petit.cc/banana/2798583。
晩年アル中だったAさんは最後には日本に帰国して、故郷である福島で亡くなった。
僕たちは風の便りでAさんが亡くなったことを知ったのだけど、Aさんと生前に仲の良かった別の友人Tさんは、わざわざ福島の実家に出向いたようで、そこでなんと、Aさんの遺灰を沢山貰って来ていたのだった。
今回ニューヨークへ旅行に行ったKIは、なんとその遺灰をポケットに入れて飛行機に持ち込んだのだった。
KIは、身体検査で異物があるのが見つかり、「その粉は?」と聞かれて「クッキーを砕いたものだ」と答えたという。
KIは、それまでしてAさんの遺灰をニューヨークへ持って行ったのは、Aさんの遺灰をニューヨークの町中にばら撒くためだったのだ。
そんな話を聞きながら、『ぺんぺん草』のマスターHは、「そんなものどこへでも捨てればいいのに!」と叫んだ。
KIはとても楽しそうに僕に写真を見せてくれた。
写真を見ると、Aの家の近くのダコタハウスの前やストロベリーフィールズなんかで遺灰を撒いているところ、柴犬のミミとAがよく散歩していたハドソン川まで行って遺灰を撒いているのがわかった。
そんな写真を見ながら僕は、Aがきっとそれを見ながら喜んでいるだろうなあと思ったのだった。

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