Kが帰って来た。

新玉ねぎ

しったか

海とお父さん

月曜日、Kが大分から帰ってくるので、いつものように羽田空港に迎えに行った。
今回は、僕も母に会いに行ったり、仕事もしたり、ベランダで植え替えをしたりしていたせいか、Kの不在の寂しさをそれほど感じることなく、あっという間に3泊が過ぎた。
飛行機を降りて来たKは、手に重そうな紙袋を抱えていた。
僕「その荷物、何?」
K「お母さんが、新玉ねぎくれたの」
家についた僕たちは、新玉ねぎを外の涼しいところに移し、他にも『しったか(もしくは、にななど呼ばれる小さな貝類)』を持って帰って来ていたので、Kに茹でてもらった。『しったか』は、どうやらKがお父さんと海まで捕りに行ったらしい。そういえば、数日前に海の写真が送られてきていたっけ。
僕「お父さんたち、僕のこと何か言ってた?」
K「ううん。特に言ってないけど、お父さん心配性だから・・・お金を貯めてるのかな・・・って聞いてた」
僕「貯めてないって答えた?」
K「貯めてあげて!」
お父さんとお母さんは、自分の最愛の末っ子を、仕事をやめさせて東京に連れて行ってしまった、年のはなれたおじさんである僕のことを、いったいどう思っているのだろう・・と思うことがある。地元の大きな病院の安定した仕事をいきなりほっぽり出させたしかも男性なのだ。そう簡単には受け入れることは出来ないかもしれないとも思う。
それでも、こうして自分たちが作った野菜や、海で一緒に捕りに行った小さな貝を持たせてくれることに、お父さんとお母さんのなんとも言えないやさしさを感じることが出来る。
「Kのことを、もっともっとたいせつにしないといけないな・・・」
Kには言わないけど、そう心に思ったのだ。
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