君の名前で僕を呼んで

ずっと長い間この映画を観るのを楽しみにしていた。
『君の名前で僕を呼んで』は、まさに、映画でしか実現できない美しい情景、揺れ動く繊細な感情、そして、人生を長く歩き続けた人間のみが知る叡智を映し出した素晴らしい作品だった。
北イタリアの避暑地で両親と過ごすエリオは17歳。お父さんは大学教授をやっていて、イタリアで彫刻や遺跡などの調査をしている。その家に、アメリカ人で24歳のオリヴァーが研究アシスタントとして6週間滞在することになる・・・。
この映画は、『ゲイ映画』というふれこみが強かったせいか、シネマカリテでは観客がほとんど女性かもしくは少数の文科系ゲイしかいなかったのだけど、実は単なるゲイ映画ではなくて、繊細で今にも壊れそうな17歳の初恋を、北イタリアという信じられないような美しい町の光の中で描き出した作品だ。
人間が何千年と繰り返している、恋をした時の歓喜と苦悩を、美しくも儚く照らし出す。
脚色(脚色とは、原作がすでにあった上で脚本化したもの)は、『日の名残り』や『眺めのいい部屋』、そして『モーリス』のジェームズ・アイヴォリー。若い人は観たことはないかもしれないけど、これらのどの作品も素晴らしいので、機会があれば観ることをお勧めする。
ゲイの映画として有名な『モーリス』は、恵比寿ガーデンシネマで特別上映しているので、僕も時間を見つけて久しぶりに見に行くつもり。
⭐️君の名前で僕を呼んでhttp://cmbyn-movie.jp

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