ヒトラーへの285枚の葉書

この週末はいまいち見たい映画がないなあ・・・と新宿の武蔵野館の上映作品を眺めていたら、自分ではあまり好んで見ない戦争映画のビジュアルの横顔がエマ・トンプソンだとわかり、戦争映画でもエマが出ているなら・・・と思って観に行った映画。監督は、ヴァンサン・ペレーズ。
エマ・トンプソンは、ハワーズエンド、日の名残り、いつか晴れた日に、などで知られる女優であり脚本家という才女で、僕の最も好きな女優のひとり。
1940年の戦時下でナチスが勢いを増すベルリンにおいて、機械工場で実直に働くオットーとそのアンナ。彼らの住む上階には、ユダヤ人の老婆がナチスから隠れて行きを潜めながら住んでいる。そんなふたりの元へある日、息子が戦死したという知らせが届く。
労働者階級の一市民が、その当時の巨大な恐怖政治であるナチスに対して、一枚の葉書を書いて道ばたに置くと言う行為によって、小さくて静かだけど強い反旗を翻すという話。
話の展開はほとんどないし、映画としてよく出来た作品というものではないけど、主演のふたりが素晴らしいから最後まで息を殺しながら観ることが出来た。
どんな時代であっても、大多数の巨大な力に負けずに抗い続け、自分の信じる道を生きた人がいたという記録。(なぜだろうか、ナチス映画がこの秋に向かってどんどん増えている気がする)
⭐️ヒトラーへの285枚の葉書http://hitler-hagaki-movie.com

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