Kの外食。

K「今度の金曜日、友だちと晩ご飯に行こうと思うけどいいかな?」
僕「いいよ。行っておいで」
K「ただしくんは?」
僕「う〜ん…たぶん家にいると思う」
Kが東京に来て1年半が過ぎた。その間僕とKはほとんど毎日、朝と夜は一緒にご飯を食べて過ごしていたようだ。
ごく稀に、友人から相談事などがあり僕だけ外食する日があっても、大分から出て来て特に知り合いもいないKは、いつも僕たちの家で夜を過ごしていた。
一度だけ大分の職場の女友だちが東京に来たことがあって、その時はうれしそうに出かけていったっきり、カラオケをやって朝方まで戻らなかったことがあった。
僕は、「ジムでゲイの友だちでも出来たのだろうか?」と思ったけど、何も聞かずにいた。
そして金曜日、Kから切り出した。
「ただしくん、誰とか聞かなかったけど、宮崎からゲイの友だちが来てるから、会ってくるね」
僕「あ、そうなんだ。それならJeff かGABにでも行ってボトル飲んでくれば?」
僕は内心、どんな友だちなのか気にはなっていたのだけど、まるで気にしないようにしていたのだ。
晩ご飯を用意していると、逐一KからLINEが入った。
「結局、焼肉の長春館にしたよ」
「これからGABに飲みにいくね」
「先に寝ててね」
「今から帰るよ」
僕は年上らしくドンと構えて、どこへ行こうが平気なふりをしているつもりだったのだけど、Kはきっと、僕が心配しているに違いないと思ったのだろう。
つきあってから5年が経とうとしているのに、僕たちはふたりでそーっとそーっと、小さな火が灯るキャンドルが消えないようにと、お互いに思いやっている。
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