海へ。

道の駅フェニックスからの眺め

串間市の岩場(魚がたくさん)

浜木綿

海に行くと、父を思い出す。
夏になると毎週末のように、家族で海に遊びに行ったものだった。北九州で生まれ山口県下関市で育った父は、まるで海で育ったようなもので、海でも岩場ばかりに僕たちを連れて行って、貝をとったり魚を突いたりしたものだった。
早朝にホテルを出て、昨日よりも少し南の串間市の隠れ場のような岩場を見つけて降りて行った。
海岸には地元の人ばかり来ているようで、小さな子供のいる家族づれが多かった。引き潮になってゆく岩場は、子どもたちが喜ぶヤドカリがいたり、小さな魚が波に取り残されていたりした。
隣で友達同士の家族だろうか、6人くらいの子どもとその親の団体がいて、目隠しをしてスイカ割りをやっていて、ひとりのお母さんが僕たちにもスイカをおすそ分けしてくれた。
そんな光景を眺めながら、子どもたちのために週末に渋滞を顧みず、運転をして海へ連れて来てくれた父のやさしさを思った。
海で遊び疲れて帰る夜には、僕たちは必ず眠ってしまったものだった。当たり前のことなのだけど、父もきっとものすごく眠かったに違いない。
今の僕は、Kが運転してくれる助手席に座って死ぬほどの眠けと戦いながら、どうやったらKにバレずに眠れるかと考えてウトウトしている。
Kは僕がちょっとでも寝そうになると、敏感に反応して僕の顔を覗き込む。僕が眠ってしまったからといって怒らないのだけど、「ひとりぼっちにされてかわいそう…」と呟くのだ。
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