泰山木。

千駄ヶ谷の駅前に、泰山木の花が咲いていた。
泰山木は、よく小学校なんかに植わっている常緑の背の高い樹木だ。朴木やモクレンと同じ種類に分類され、マグノリアとも呼ばれている。
花のない時期には、暗く重たい光沢のある葉っぱがなんとも地味に見えるのだけど、花の季節になると今までの重厚さはなんだったのかと思うような、原始的でドラマチックな花を咲かせる。
泰山木の花の魅力は、その作り物のような象牙色の肉厚の花弁と、彫刻的な形の美しさ。そして何よりも、その爽やかで甘い香りだろう。
学生の頃生け花を習っていたのだけど、先生がいつもおっしゃっていたことは、
「桜と泰山木。これが花の両巨頭ですね。どちらも全く違った美しさがあります」
そんな話を聞きながら、桜はすごいのはわかるけど、いつか大人になったら泰山木の魅力がわかるのだろうか・・・と思っていたものだが、今頃になって、泰山木の美しさに気づかされるようになったのだ。

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