ニューヨークのMからのメール。

日曜日の朝方、ニューヨークに住むの友人Mからメールが入った。
Mはゲイの友人で、僕よりも8歳くらい年上だろうか。昨年の11月に、36年間連れ添ったアメリカ人のパートナーを病気で突然亡くしてしまったのだった。
M「まだまだつらくさみしい日が続いていますが、Lの顔を見ると行きていく勇気が湧いてきます。あまり嘆いてばかりもいられませんものね。」
友人の電話で訃報を聞いた時は、いったい何がおこったのかわからなくて、まだ65歳くらいだったJが亡くなったなんて信じることができなかった。
メールの中にあるLというのは、9歳になる彼らの娘さんで、MとJは、Lの生まれてくる瞬間にも立ち会い、ずっと自分たちの子どもとしてゲイペアレンツで育てて来たのだった。
暫く立ってから友人がニューヨークへ行きMに会い、帰ってからMの様子を聞いていた。
風邪をこじらせていたと思ったら、急に容態が悪化して、敗血症にかかっていることがわかり、あっという間にJは帰らぬ人となってしまったようだった。
Lは一日のうちの学校以外のほとんどの時間をJと過ごしていたこともあり、MはJを喪ってからは、それらをほとんど自分ひとりでやらなければならず、それがどれほど大変なことだったのかを思い知らされたようだった。
Jは、生命保険医もまったく入っていなかったこともあり、ふたりで引き取ったLを、この先大学を卒業させるまでにかかるお金のことも実際問題として大変に違いない。
Mの喪失感は、想像するだけでも地獄のような苦しみに違いない。
あまりにも突然のことで、まさかJが死ぬということも知らずに、死に際に立ち会うことも、愛していると言うこともできなかったのだろうから。
M「人生の伴侶を失うというのは、本当に大変なことですね。今までいろいろつらいことはありましたが、こんあにつらくてさみしいことはないよ。でも、リリーに本当に助けられている。明るい子だし。」
僕「MがJと過ごした日々は、決して失われることはなく、いつまでもMを勇気づけてくれ、時にはやさしく包み込んでくれるのではないかと思います。
M、またニューヨークに遊びにいきますね。   Love, 」
遠く東京から、MがLとふたり、ゆっくりと立ち直ってゆくことを祈るばかりだ。

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