海は燃えている

メリル・ストリープが絶賛したというイタリアの小さな島のドキュメンタリー映画『海は燃えている』は、今の世界問題を描いた静かで強い映画だった。
島の人口およそ5500人というランペドゥーサ島には、今では年間5万人を超える難民や移民がアフリカや中東から地中海を渡り押し寄せ続けている。
この映画は、世界の縮図のようなランペドゥーサ島で起こっている現実を、監督が島に住み着くことによってつぶさに描いた作品だ。
映画を見ていると、島で暮らす人々は、難民や移民のことをほとんど気にもとめていない穏やかな暮らしをしている。
でも、難民や移民は、命がけで遠い海を渡ってくる。彼らの言葉の意味などわからないまま、まっすぐに画面に映し出される表情を見ていると、何を言っていようが、僕たちはこの状態をなんとかしないといけない・・ ・と思うのだ。
難民も移民も、僕たちと何も変わらない等しい命だ。そんなあたりまえのことを、もう一度気づかせて考えさせてくれる作品。ドナルド・トランプに、ぜひこの作品を見て欲しいものだ。
※2016年度のベルリン国際映画祭で金熊賞〈最グランプリ高賞〉を獲得。ロージ監督は、二作連続で世界三大映画祭の最高賞を受賞しただけでなく、ベルリン、ヴェネチアと、ドキュメンタリー映画で初の最高賞を受賞するという快挙を成し遂げ、今年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされている。
⭐️海は燃えているhttp://www.bitters.co.jp/umi/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です