平泉へ。

毛越寺

中尊寺月見坂

奥州藤原三代が築いた極楽浄土の夢の跡『平泉』に行くことは、今回の旅の一つの目的でもあった。
平泉には、修学旅行で行ったきりでほとんど記憶にも残っていなかったのだけど、岩手が誇る世界遺産を、もう一度この目で観てみたいと思ったのだ。
盛岡を昼には出て花巻温泉で一泊のんびりと寛ぎ、朝目が覚めると山々は雪景色だった。岩手ではずっと天候に恵まれ、日曜の夜から降りはじめた雪は月曜日の朝にみぞれに変わり、あっという間に上がった。
平泉までは、田園に家々が点在する景色を眺めながら2両編成の電車で到着した。
まずは、毛越寺(もうつうじ)へ。
平泉世界遺産の一つをなす毛越寺は、美しい庭園を持つ寺である。京都の庭園を今まで観て来た者にとっては、まるで外国人が作ったような、おおらかで斬新な庭園に感じる。
それは、庭園の広さが圧倒的に大きいのと、日本庭園の形式を自由に拡大解釈しているからだろう。池のほとりを歩きながら、藤原三代が夢見た戦のない世界のことを考えた。
毛越寺から中尊寺までは、るんるんバスという周回しているバスですぐに到着。急な勾配の月見坂を息を切らせながら上ってゆくと、中尊寺とは、山を丸ごとお寺にしてしまったのだなと気づく。
金色堂は、細部までこだわり作り込まれた執念の建物だと思う。当時金が発掘されたこの地だからこそ作ることの出来た芸術なのだと言う。
中尊寺の山から下界へ降りる時にふと外を見ると、眼下には田園風景がどこまでも広がっていた・・・。
中尊寺の美しさは、金色堂の煌びやかな装飾のあとに、人々が平和に暮らすこの美しい田園風景を見ることにあるのかもしれないと思う。
平和であるというだけで、今ここが天国のようだと感じられた。
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