Kの東京での就職。

Kは僕と一緒に暮らすために、8年間働いた大分での病院の仕事を辞めて、3月末に東京に出て来た。
東京に出て来てからは、「こんなこと、人生にそうそうないから、しばらく働かなくていいよね?」などと言って、ジムや英会話学校に通っていたのだけど、僕も、「1年間くらいゆっくり休めばいいんじゃない?」などとのんきに構えていた。
それでも、8ヶ月が過ぎて、そろそろ働こうかなと思いはじめたのか、先週末に履歴書を書いて送ったようで、月曜日に先方の担当者から電話があった。
担当者「あのー、東京に出てこられたのはなんでですか?」
K「パートナーと一緒に暮らすためです」
担当者「うちは、すぐに辞められると困るので、最低でも3年間はつとめて欲しいと思っています。その彼女は、どんなお仕事をされているんでしょうか?転勤等はありませんか?」
K「あのー、彼女ではなくて、男性のパートナーなんです。サラリーマンですが、今の所転勤はないみたいです」
担当者「男性・・・。それでは、うちは外国人の患者さんがほとんどなので、英文の履歴書を作成して送ってください。面接は水曜日になります」
もはや、何も隠そうともしないKは、担当者にも自分のセクシュアリティをすぐに告げて、その日夜中までかかって英文の履歴書を書き上げたのだった。火曜日に僕がそれを会社のネイティブの同僚にチェックしてもらい、微修正をして、無事に送付することが出来た。
そして水曜日、午後に病院に面接に行ったKが、夕方帰って来るのを僕は早めに家に帰って待っていたのだった。
僕「おかえりー。面接どうだった?僕の仕事とか、何か聞かれたの?」
K「いや、聞かれなかった。向こうはお医者さん2人が外人で、英語の面接だった・・・」
僕「誰か通訳はいたんでしょ?」
K「僕が話した担当者が通訳をしてくれた・・・そのまま内定もらったよ」
僕「ほんと?やったー!よかったね!」
どうやら、その日のうちにその病院に無事に就職が決まったようだ。今回の病院は今までのところと違っていて、基本的に夜勤はなく、おまけに僕の仕事場にも近いので、願ってもみない好条件だった。
あまりなりふり構わず受けるということもなく、不思議なタイミングで就職先が決まったことに、僕自身も驚いてしまった。
Kが働きはじめたら、ふたりの生活もきっと慌ただしくなるに違いない。それでもまた少しずつ、ふたりで調整していけばいいだろう。
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