教授のおかしな妄想殺人

久しぶりのウディ・アレンの新作と聞いて、ルシネマに観に行ったのだけど、日曜日の昼間であるにもかかわらず、驚くほどガラガラだった。(ルシネマのマダムたちには、ウディ・アレンはそれほど人気がないのだろう)
天才俳優ホアキン・フェニックス扮する大学哲学部の教授と、飛ぶ鳥落とす勢いのあるエマ・ストーンによる恋愛サスペンス喜劇といったところだろうか。
若い頃には、自分の信じるもののために政治活動やボランティアなどその時に熱中できるものに無我夢中で生きて来たエイブ(ホアキン・フェニックス)は、年を重ね、哲学科の教授になるが、今では生きる目的や意味、生き甲斐が見つからず、無気力な毎日を送っている。正義感が強い主人公は、やがて自分の考える悪者に対して完全犯罪を計画するということで、燦然と輝くような生き甲斐を見いだしてゆく。
人生とは、さもない毎日の連続だ。でも、もしもそこに何も生き甲斐を見いだすことが出来なかったとしたら、苦痛の時間が永遠のように感じられるに違いない。僕たちは、なんとか退屈や無気力感を自分から遠ざけながら、ほんのささいな出来事に心を動かし、毎日を積み重ねて生きているのだろう。
映画監督になってから、ほぼ毎年のように新作を撮り続けて来たウディ・アレンも、今年で81歳になる。81歳になって尚、夢中になって映画を作り続けていること自体に、心から尊敬してしまう。
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